タンパク質の多いキャットフードを乾物換算で並べ直したら、順位がほぼ入れ替わった
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結論から
キャットフードの袋に書いてある「粗タンパク質 30%以上」は、水分を含んだ状態の 100gに対する割合です。水分量が違う商品同士をこの数字のまま比べることはできません。
このサイトの209商品を、水分量で2つに分けて中央値を出すとこうなります。
| 商品数 | 粗タンパク質(そのまま) | 乾物あたりに換算 | |
|---|---|---|---|
| ドライ(水分20%以下) | 173 | 31.00% | 33.33% |
| ウェット(水分20%超) | 36 | 8.50% | 53.19% |
そのままの数字では、ウェットはドライの4分の1しかタンパク質がないように見えます。水分を抜いて揃えると、逆にウェットのほうが1.6倍高くなりました。
「タンパク質が多いキャットフード」を並べた記事の多くは、この換算をしていません。
乾物あたりとは
計算はとても単純です。
乾物あたり = 成分 ÷ (100 − 水分) × 100
水分75%のウェットフードにタンパク質が10%含まれているなら、 10 ÷ (100 − 75) × 100 = 40%。水分を飛ばして粉にしたら40%になる、という意味です。
こうして初めて、水分10%のドライと水分80%のパウチを同じ物差しに乗せられます。
実際に順位はどう変わるか
主食と療法食のうち、タンパク質と水分の両方を公表している商品を、 2通りの並べ方で上位から取り出しました。
| 順位 | 粗タンパク質(そのまま)の順 | 乾物あたりの順 |
|---|---|---|
| 1 | ママクック フリーズドライ | ママクック フリーズドライ |
| 2 | ロイヤルカナン 糖コントロール | フィリックス パウチ |
| 3 | ロイヤルカナン 糖コントロール 4kg | ニュートロ デイリーディッシュ |
| 4 | ロイヤルカナン 糖コントロール 2kg | ロイヤルカナン インドア |
| 5 | ニュートロ ワイルドレシピ エイジング | ロイヤルカナン キトン |
1位のフリーズドライだけが動きません。水分がほぼゼロなので、換算しても数字が変わらないからです。2位以下は総入れ替えになりました。
そのままの順ではドライばかりが並び、乾物順ではパウチが2位・3位に上がってきます。どちらが「正しい順位」かと言えば、後者です。前者は水分の少なさをタンパク質の多さと取り違えているだけなので。
フリーズドライのおやつが90%に見える理由
種別ごとに同じ計算をすると、おやつの立ち位置がよく分かります。
| 種別 | 粗タンパク質 | 乾物あたり |
|---|---|---|
| 主食 | 32.0% | 36.4% |
| 療法食 | 29.0% | 32.1% |
| おやつ | 19.0% | 63.5% |
おやつの乾物あたりが63.5%と突出しています。ささみのフリーズドライなどはほぼ純粋な肉なので、当然といえば当然です。
ただしこれは「おやつのほうが主食より優れている」という話ではありません。主食は総合栄養食として、タンパク質以外の栄養素も基準を満たすように設計されています。タンパク質だけを取り出して比べる意味があるのは、 同じ役割の商品同士を比べるときだけです。
気をつけたいこと
- 水分を公表していない商品は換算できません。このサイトの260商品のうち、
水分の記載があったのは209商品でした。
- 換算のもとになる数字は保証分析値です。「30%以上」の実際の値は31%かも
しれないし38%かもしれません。 保証分析値の読み方も合わせてどうぞ。
- タンパク質は多ければ多いほど良い、というものではありません。腎臓に不安が
ある猫では制限することがあります。判断は獣医師にご相談ください。
まとめ
- 袋の「粗タンパク質」は水分込みの数字。そのまま比べてはいけない
- 乾物あたり = 成分 ÷ (100 − 水分) × 100
- 換算するとウェットの中央値は8.5%から53.2%へ。ドライを追い越す
- 上位の顔ぶれは1位を除いて入れ替わった
成分比較のトップページでは、タンパク質を乾物あたりに換算した状態で並べ替えられるようにしています。ウェットとドライが混ざっていても、そのまま比較できます。