高カロリーなキャットフードは高タンパクではなかった。134商品で確かめた
Amazonのアソシエイトとして、みけねこフードラボは適格販売により収入を得ています。記事内の商品リンクからの購入で当サイトに紹介料が入りますが、掲載内容は実際に購入・使用した上での評価です。
結論から
カロリー・タンパク質・脂質の3つを公表しているドライフード134商品(主食と療法食)について、カロリーとの関係を調べました。
| 組み合わせ | 相関係数 |
|---|---|
| カロリー と 脂質 | +0.62 |
| カロリー と タンパク質 | −0.22 |
相関係数は、+1に近いほど「片方が増えるともう片方も増える」、0に近いほど無関係、マイナスなら逆向きという指標です。
カロリーが高いフードは脂質が多い。 これははっきり出ました。一方タンパク質はわずかにマイナス、つまり高カロリーのフードのほうがむしろタンパク質は少なめという結果です。
「カロリーが高い=栄養がしっかりしている=高タンパク」という連想は、公表値の上では成り立っていませんでした。
カロリー帯で区切ると見えやすい
134商品を100gあたりのカロリーで4つに分けて、それぞれの中央値を出しました。
| カロリー帯 | 商品数 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物(推定) |
|---|---|---|---|---|
| 〜349kcal | 22 | 32.0% | 9.0% | 28.9% |
| 350〜374kcal | 35 | 30.0% | 13.5% | 36.1% |
| 375〜399kcal | 62 | 31.0% | 14.4% | 36.7% |
| 400kcal〜 | 15 | 29.5% | 20.0% | 31.4% |
脂質の列だけが、上から下へきれいに増えています。9.0% → 13.5% → 14.4% → 20.0%。 一番低い帯と一番高い帯で2倍以上の差です。
タンパク質の列は 32.0 → 30.0 → 31.0 → 29.5 と、上下しながらほぼ横ばい。むしろ最もカロリーの低い帯が一番高いという結果になりました。
なぜこうなるのか
脂質は1gあたり約9kcal、タンパク質と炭水化物は約4kcalです。脂質だけが 2倍以上のエネルギーを持っています。
だからフードのカロリーを上げたいときにいちばん効くのは脂質を増やすことで、タンパク質を増やしても効率が悪い。設計上そうなるので、公表値にもそのまま出ます。
炭水化物の列が真ん中の帯で高く、両端で低いのも同じ理屈で説明がつきます。低カロリー帯は脂質を削ったぶんタンパク質で埋め、高カロリー帯は脂質で埋めている。真ん中は炭水化物の比率が相対的に大きくなる、という形です。
なお炭水化物は引き算による推定値です。詳しくは 保証分析値の読み方をご覧ください。
この結果をどう使うか
カロリーでタンパク質を推し量らない
カロリーはタンパク質の代わりになりません。 タンパク質を見たいならタンパク質の数字を見るしかない、というのがこの記事のいちばん実用的な結論です。
しかも製品あたりの数字のままでは水分の違いで歪むので、 乾物あたりに換算してから比べてください。
「高カロリー」は脂質が多いという意味だと読む
袋に400kcal台と書いてあったら、脂質が20%前後ある可能性が高い。これは良いことでも悪いことでもなく、そういう設計だという事実です。
- 食が細い猫、体重を増やしたい猫 → 少量で足りるので合理的
- 体重を落としたい猫 → 同じ量を与えるとカロリーが積み上がる
体重管理の話はカロリーと給与量の記事にまとめました。フードを替えるときは量ではなくカロリーで換算する、という話をしています。
脂質の数字は嗜好性にも関わる
脂質は猫にとって嗜好性の高い成分でもあります。「食いつきがいい」と評判のフードが高カロリーであることは珍しくありません。
ただし食いつきは猫ごとに違うので、数字から食いつきを予測することはできません。このサイトが扱えるのは公表値までで、その先は実際に与えて観察するしかない領域です。
この数字の限界
- 対象はドライフードの主食と療法食(水分20%以下)で、カロリー・タンパク質・
脂質の3つすべてを公表していた134商品です
- すべてメーカーの公表値(保証分析値)で、実測ではありません
- 相関はあくまで全体の傾向です。個々の商品には当てはまらないことがあります。
高カロリーで高タンパクな商品も実在します
まとめ
- カロリーと脂質の相関は+0.62、カロリーとタンパク質は−0.22
- 400kcal超の帯は脂質20.0%、349kcal以下の帯は9.0%。2倍以上の差
- タンパク質はカロリー帯によらずほぼ横ばい(29.5〜32.0%)
- 脂質は1gあたり9kcalで、タンパク質・炭水化物の2倍以上
- カロリーからタンパク質は推し量れない。数字を直接見ること
成分比較のトップページでは、カロリー・タンパク質・脂質をそれぞれ別々に並べ替えられます。