キャットフードを成分で選ぶとき、どの数字から見るべきか
Amazonのアソシエイトとして、みけねこフードラボは適格販売により収入を得ています。記事内の商品リンクからの購入で当サイトに紹介料が入りますが、掲載内容は実際に購入・使用した上での評価です。
この記事の位置づけ
このサイトでは260商品の成分公表値を集めています。その作業の途中で分かったことを、他の記事に分けて書いてきました。ここはそれをつなぐ目次です。
先に結論を書くと、成分表で決められることは思ったより少ないというのが全体を通しての結論でした。決められる範囲を正確に知っておくほうが、無理に数字で決めようとするより役に立ちます。
1. 総合栄養食かどうか
最初に見るのはここです。成分の数値ではありません。
- 総合栄養食 — これと水だけで必要な栄養が満たせる
- 一般食・副食・おやつ — 嗜好性が主目的。単独では栄養が偏る
ドライフードは総合栄養食が多いので見落としがちですが、 ウェットには一般食が普通に混ざっています。パウチを主食にするつもりなら毎回確認してください。
詳しくはウェットフードの数字の見方に書きました。
2. 100gあたりのカロリー
次はカロリーです。ここを飛ばすと、あとの成分比較の意味が薄くなります。
主食のドライフードで320〜442kcal/100gの幅があります。同じ量を与えていても、フードを替えただけで摂取カロリーが3割変わります。
フードを替えるときは、量ではなくカロリーで換算する。
新しいフードの量 = 今の量 × 今のkcal ÷ 新しいkcal
3. 水分を確認してから、他の成分を見る
タンパク質や脂質の数字を比べる前に、水分量を見てください。
保証分析値は水分を含んだ状態の割合なので、水分の違う商品をそのまま比べられません。ウェットの水分は中央値84%、ドライは10%前後。この状態で「タンパク質8.5%対31%」を比べても意味がありません。
水を抜いて揃えると、ウェット53.2%・ドライ33.3%と逆転します。
乾物あたり = 成分 ÷ (100 − 水分) × 100
4. 制限が必要な成分があるなら、そこを見る
ここまでは全員に共通する話です。ここから先は、 制限すべき成分が分かっている場合にだけ意味があります。
そして「分かっている」というのは、獣医師にそう言われた、という意味です。症状からの自己判断ではありません。
リンを制限する必要があるとき
公表しているのは260商品中78商品(30.0%)だけです。まずこの壁にぶつかります。
そして「療法食を選べばリンが低い」は成り立ちません。療法食全体の中央値は0.66%、主食は0.80%。差は0.14ポイントしかありません。低いのは腎臓用(0.40%)で、尿路用は0.93%と主食より高い。
尿路が心配なとき
ここは成分表では決められないというのが結論でした。
マグネシウムの幅は0.01〜0.13%と狭く、商品を替えても動く量が小さい。実際に効いているのは尿のpHで、これは成分表に書かれません。さらに結石は種類によって対策が逆向きで、検査なしには区別できません。
5. 数字の精度を知っておく
ここまで数字を並べてきましたが、その数字自体に幅があります。
「30%以上」は30%という意味ではなく、下限の約束です。実際は32%かもしれないし38%かもしれない。メーカーによって余裕の取り方も違うので、ブランドをまたぐ僅差の比較は当てになりません。
小数点以下の差を競わせるのではなく、0.40%と0.93%のような はっきりした差を見つけるために使う。それが正しい使い方です。
6. 決めたあとの話
フードを決めたら、切り替えと保存が残ります。どちらも成分とは関係ありませんが、実際の食いつきにはこちらのほうが効きます。
成分表で決められないこと
最後に、この一覧に入らなかったものを書いておきます。
- 食いつき — 猫ごとに違います。他所の猫が完食した記録は参考になりません
- アレルギー — 原材料の問題であって、成分値では分かりません
- 病気の予防や治療 — フードにできることの範囲は獣医師の領分です
このサイトが扱えるのは、猫によらない事実だけです。公表されている数字を並べて、絞り込めるようにする。そこまでが範囲で、その先は動物病院とご自身の観察に委ねられます。
まとめ
- 総合栄養食かどうかを見る
- 100gあたりのカロリーを見る
- 水分を確認し、乾物あたりに揃えてから他の成分を比べる
- 制限が必要な成分があれば、そこを見る(ただしリンは3割しか公表がない)
- 数字には幅がある。はっきりした差だけを拾う
実際の絞り込みは成分比較のトップページでできます。 9項目で並べ替えと絞り込みができるようにしてあります。