ドライフード

キャットフードを成分で選ぶとき、どの数字から見るべきか

公開 2026年8月4日

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この記事の位置づけ

このサイトでは281商品の成分公表値を集めています。その作業の途中で分かったことを、他の記事に分けて書いてきました。ここはそれをつなぐ目次です。

先に結論を書くと、成分表で決められることは思ったより少ないというのが全体を通しての結論でした。決められる範囲を正確に知っておくほうが、無理に数字で決めようとするより役に立ちます。

1. 総合栄養食かどうか

最初に見るのはここです。成分の数値ではありません。

ドライフードは総合栄養食が多いので見落としがちですが、 ウェットには一般食が普通に混ざっています。パウチを主食にするつもりなら毎回確認してください。

詳しくはウェットフードの数字の見方に書きました。

2. 100gあたりのカロリー

次はカロリーです。ここを飛ばすと、あとの成分比較の意味が薄くなります。

主食のドライフードで320〜442kcal/100gの幅があります。同じ量を与えていても、フードを替えただけで摂取カロリーが3割変わります。

フードを替えるときは、量ではなくカロリーで換算する。

新しいフードの量 = 今の量 × 今のkcal ÷ 新しいkcal

→ カロリーと給与量の記事

「室内猫用」という名前は、カロリーが低いことを意味しません。一般の成猫用とほぼ同じ数字の商品がほとんどでした。

→ 室内猫用のカロリーを調べた記事

3. 水分を確認してから、他の成分を見る

タンパク質や脂質の数字を比べる前に、水分量を見てください。

保証分析値は水分を含んだ状態の割合なので、水分の違う商品をそのまま比べられません。ウェットの水分は中央値84%、ドライは10%前後。この状態で「タンパク質8.5%対31%」を比べても意味がありません。

水を抜いて揃えると、ウェット53.2%・ドライ33.3%と逆転します。

乾物あたり = 成分 ÷ (100 − 水分) × 100

→ 乾物換算で並べ直した記事

4. 制限が必要な成分があるなら、そこを見る

ここまでは全員に共通する話です。ここから先は、 制限すべき成分が分かっている場合にだけ意味があります。

そして「分かっている」というのは、獣医師にそう言われた、という意味です。症状からの自己判断ではありません。

リンを制限する必要があるとき

公表しているのは281商品中67商品(23.8%)だけです。まずこの壁にぶつかります。

→ リンの公表率の記事

そして「療法食を選べばリンが低い」は成り立ちません。療法食全体の中央値は0.66%、主食は0.90%。ただし療法食の中のばらつきのほうがずっと大きく、低いのは腎臓用(0.40%)で、尿路用は0.93%と主食並みです。

→ 療法食のリンを検証した記事

腎臓用の療法食と「腎臓ケア」をうたう一般食では、カロリーの向きも逆です。

→ 腎臓用フードの設計を比べた記事

リンを比べるときは、%より「1,000kcalあたり何g」のほうが実際に摂る量に近くなります。

→ リンをカロリーあたりで並べ直した記事

尿路が心配なとき

ここは成分表では決められないというのが結論でした。

マグネシウムの幅は0.01〜0.13%と狭く、商品を替えても動く量が小さい。実際に効いているのは尿のpHで、これは成分表に書かれません。さらに結石は種類によって対策が逆向きで、検査なしには区別できません。

→ ミネラルと尿路ケアの記事

5. 書かれていない成分があることを知っておく

ここまでは「載っている数字」の話でした。載っていないものもあります。

炭水化物には欄そのものがありません。 保証分析値の5項目に入っていないので、どの袋にも書かれていない。100から5項目を引けば計算できますが、 5項目がそろっている商品でしか出せず、このサイトでも 281商品中210商品(74.7%)が限界でした。

計算してみると、ドライの主食の中央値は31.40%。 多くのドライフードでいちばん多い成分は炭水化物です。

→ 炭水化物を引き算で出した記事

6. 数字の精度を知っておく

ここまで数字を並べてきましたが、その数字自体に幅があります。

「30%以上」は30%という意味ではなく、下限の約束です。実際は32%かもしれないし38%かもしれない。メーカーによって余裕の取り方も違うので、ブランドをまたぐ僅差の比較は当てになりません。

小数点以下の差を競わせるのではなく、0.40%と0.93%のような はっきりした差を見つけるために使う。それが正しい使い方です。

→ 保証分析値の読み方

7. 決めたあとの話

フードを決めたら、切り替えと保存が残ります。どちらも成分とは関係ありませんが、実際の食いつきにはこちらのほうが効きます。

成分表で決められないこと

最後に、この一覧に入らなかったものを書いておきます。

このサイトが扱えるのは、猫によらない事実だけです。公表されている数字を並べて、絞り込めるようにする。そこまでが範囲で、その先は動物病院とご自身の観察に委ねられます。

まとめ

  1. 総合栄養食かどうかを見る
  2. 100gあたりのカロリーを見る
  3. 水分を確認し、乾物あたりに揃えてから他の成分を比べる
  4. 制限が必要な成分があれば、そこを見る(ただしリンは3割しか公表がない)
  5. 炭水化物のように、そもそも書かれていない成分があることを知っておく
  6. 数字には幅がある。はっきりした差だけを拾う

実際の絞り込みは成分比較のトップページでできます。 9項目で並べ替えと絞り込みができるようにしてあります。


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